国際的に活躍するエコノミストであり、日本屈指の教育者でもある、島田晴雄氏。世界恐慌の今を生き抜く策とは何か。日本人として、社会人として、私たちは如何に仕事に向かうべきか―。
経済のプロとも言える島田氏に、現代を生き抜くポイントから、転職活動に対するアドバイスまで率直に語っていただきました。笑顔が溢れる島田氏の言葉を聞けば、誰でも必ず元気になれます!

第2回では生きる上で大事なことをいくつかお話しましたが、社会人にとって最も重要なのは友達を作ることです。人は生まれてから、最初は親を通じて情報を得ます。大きく成長するにつれて家族以外の比重が大きくなり、一生における情報の95%は友達から受けるようになるのです。だから、友達を作ることは大きな意味があるのです。
たとえば、大勢が集まる会合に出席したら、会場にいる全員と名刺交換をしてください。そして、すべての人から、「○○君は、こんな面白いことを言っていた」「○○君って面白い人だよね」と思わせるように振る舞い、後日、交換した名刺を使って連絡をとるのです。会場に50人いたら、50人全員と友達になってきてください。せっかく人間として生まれてきたのだから、白熱した人生にしましょうよ。人生はたった一度だけしかないのです。キラキラしながら生きた方が悔いはありませんよ。
私のパソコンには、6000人以上の友達のデータが入っています。毎年、家族のストーリーを添えて、年賀状を3000人に、クリスマスカードを1000人に送っています。世界中に友達がいて、世界中から情報が集まります。みなさんもたくさんの友達を作って、自分自身を高めていってください。雇用主は、新しい人材が業界に詳しいことなんて期待していませんよ。若ければ若いなりに頑張っている人を採用したいものです。リストラのリの字も覚える必要はありません(笑)。もし不採用なってしまったとしたら、残念ながらあなたがまだ輝いていなかったのです。親や周りのせいではありませんよ。自分が明るい思想を持てずに輝けなかっただけなのです。一回きりの人生なのだから、ぜひあなたも太陽のように眩しいくらい輝いてください。
私は岡田謙三先生に師事し、絵を描いていた時期がありました。フランスで活躍した藤田嗣治と同じく、岡田先生は戦後の日本が輩出した偉大なアーティストの一人です。岡田先生がアメリカに渡ったのを契機に私は筆を折り、半世紀以上も絵を描いていませんでした。
あるとき、政府の仕事をきっかけにシャネル株式会社の社長リシャール・コラスと親交を深め、別荘に招かれた際に僕の絵の話になりました。すると、新築する銀座本店で最初の個展を開くよう、リシャールから熱心に薦められました。そして、私は挑戦してみることにしました。
3年の準備期間と約束していたのですが、ココ・シャネルはピカソのパトロンをしていましたし、世界最大の売上を誇る銀座本店ですから、リシャールは心配だったのでしょうね。彼はわざわざ伊豆のアトリエまで、私の様子を見に来ました。まだ半分しか描いていなかったのですが、じっと絵を見て、「タイトルは私が付けるよ」と言って、リシャールがフランス語でタイトルを付けてくれたのです。個展は8日間開催し、政界、財界、芸術家など1500名をお招きし、私は全員と握手を交わしました。60枚の絵画のうち55枚が売れ、大成功をおさめることができました。
「君が絵を描いている間に、私は小説を書くよ」と言って、その間、リシャールは小説を執筆していました。2人ともプレッシャーで、高血圧になりましたけどね(笑)。リシャールが、私のことをその小説に書いていました。「親友の島田に、50年振りに自分の世界を広げてほしいと真に思った。そして、私は島田の絵を見て、はじめて抽象画に目を開かされた」と。これは、国境を越えた遥かなる友情です。これほど壮大な友情は、非常に珍しいと思います。世界中でたくさんの友情が結ばれたら、人生も世界も必ずもっと豊かになりますよ。






