「Don't trust over 30 - 失敗も成功も何でもできる20代、君への提言」イー・アクセス会長 イー・モバイル会長兼CEO 千本 倖生

第4回 「一度きりの命を賭けて生きる」

矛盾に挑み続け、真のベンチャー精神を貫く、千本倖生氏。
時代を変え、世界を動かしてきた強靭な原動力はどこにあるのか。
そして、本質的な意味での“経営”とは、“ベンチャー”とは、一体何なのか―。
昨今からの経済危機の影響で不安ばかりが先走りますが、千本氏の生き方や働き方の真髄を見れば、誰もが奮起するはずです。どうぞお楽しみください!

今こそ、世界に目を

早いもので、最終回になってしまいました。

これまで、私が何度も悩み、数々の失敗をしながらも、いかに信念を貫いてきたかをお話しました。今回は最後ですし、転職を考えるみなさんが不況と言われる現代でどのように働き、そして天職にめぐり会うかをお伝えしたいと思います。

近頃、メディアから流れてくる情報は、気分が悪くなるような暗いものばかりです。日本は危機的状況にあり、世界経済における地位は徐々に後退しています。けれども、肩を落として地面ばかりを見るのではなく、こういうときこそ世界へ目を向けるべきです。

今こそ、世界に目を

自分が置かれている状況だけで判断し、一喜一憂しても何も変わりません。広い視野を持って、世界の動きをよく見てみてください。そして、頭の芯を使って考え、困難をくぐり抜けてください。

時代はさかのぼりますが、日本でようやくインターネット革命が始まった1999年、世界にはブロードバンドが普及し、アメリカや韓国で200万人以上がADSLに加入していました。一方、日本ではADSLはほとんど使われることはありませんでした。

アメリカのオフィスでは常時接続が当たり前だったのに、日本の大多数のユーザーはダイヤルアップで接続をしていました。今では考えられませんが、必要なときだけインターネットにつないでいたのです。「インターネットの環境を整えなれば、日本は世界に取り残されてしまうと思っていました。

自ら助くるものを助く

その頃の私は企業家ではなく、慶應義塾大学経営大学院教授として教育に携わっていました。ブロードバンド事業を興さなくては日本の未来はない。そう考えていたものの、57歳という年齢から家族に反対され、起業についてこれまで以上に悩みました。

しかし、世界に通用するベンチャー企業というものを自ら示したいと考え、教育者としての立場を辞めて、再び起業することにしました。 そして、1999年にイー・アクセス株式会社、2005年にイー・モバイル株式会社を創業しました。

自ら助くるものを助く

現在は厳しい状況にありますが、世の中を革命的に変えるチャンスでもあります。世界を進歩させる行動は、必ず天が後押ししてくれます。世界に視野を広げ、皆で団結して力を出し合えば、日本の経済も必ず前進できます。

今回の連載のタイトルに『人生意気に感ず』とありますが、金銭や名誉など目先の利益に走っても何も生まれませんし、何も得られません。もっと奥深いところにある人生の本望に沿った生き方や働き方をしてください。

もしかしたら、転職を考えているみなさんは、天職とは何かを悩んでいるかもしれません。天職は、自分で探すべきものです。自分でしか見つけられないものなのです。天から与えられた自分の身を置くべきポディションがどこにあるのかをじっくりと考えてみてください。

みなさんには、まだまだ猶予があります。
一度だけしかない人生を賭けて全精力で探し、あなたにとっての天職に出会えることを願っています。

イー・アクセス株式会社

設立年月日
1999年11月1日
資本金
171億円
本社所在
東京都港区虎ノ門2-10-1 新日鉱ビル
事業内容
ブロードバンドIP通信サービス

イー・モバイル株式会社

設立年月日
2005年1月1日
資本金
718億円
本社所在
東京都港区虎ノ門2-10-1 新日鉱ビル
事業内容
モバイルブロードバンド
サービス

イー・アクセス会長   イー・モバイル会長兼CEO   千本 倖生(Sachio Semmoto)

イー・アクセス会長   イー・モバイル会長兼CEO 千本 倖生(Sachio Semmoto)

1966年、京都大学工学部電子学科卒業。
日本電信電話公社(現:NTT)を経て、1984年、第二電電株式会社(現:KDDI)を共同創業。その後、慶応義塾大学大学院経営管理研究科で教鞭を執る。50代半ばを超えても勢いはおさまらず、1999年、イー・アクセス株式会社、2005年、イー・モバイル株式会社を創業。著書『挑戦する経営―千本倖生の起業哲学』では、これまでの挑戦と企業経営について語り、多くの読者を惹き付けている。

平成21年2月20日(金) 迄に会員登録をされた方の中から抽選で5名様に著者サイン入り「挑戦する経営 千本倖生の企業哲学」をプレゼント!

「挑戦する経営 千本倖生の起業哲学」千本倖生著 / 経済界

KDDI創業→イー・アクセスを起業→
そして、日本で13年ぶりの携帯電話事業への参入を果たしたイー・モバイル。 なぜ、日本の通信業界で革命を起こし続けた男は、ベンチャー[挑戦]にこだわるのか―。世界、時代、常識に対する数々の果 敢なる挑戦が熱く語られていると共に、時に辛辣でありながらも根底にある千本氏の温かな人柄が垣間見られる。

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