松田公太インタビュー

転職・求人情報の「賢者の天職」特別企画 松田公太氏連載ロングインタビュー

松田公太写真
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世界を相手にビジネスを展開している、松田公太氏。『Challenge ~自分を信じて突き進め~』の第8回目は、派遣切りやリストラなど昨今の雇用問題についてご意見を伺いました。

雑音に惑わされず、冷静に分析すること

派遣切りやリストラなど、毎日メディアからネガティブな情報ばかり流れてきます。100年に1度の不景気とまで言われていますが、言葉だけが独り歩きしているようにも見受けられます。現在の景気の悪化は、皆様もご承知の通り、サブプライム問題に端を発した、米大手証券会社の破綻などによるものですが、すべては実体とかけ離れたマネーゲームが横行したためではないでしょうか。銀行や住宅ローン会社は返済のあてのない人々に融資をし、格付けが本当に信頼できるかわからないも証券をブランド名だけを頼りに投資してしまった。

現在、日本の失業率は、3.9%です(2008年11月)。2000年のITバブルのときでも、4.7%でした。たとえばアメリカは7.2%(2008年12月)、イギリスは6.0%(2008年11月)、フランスは7.3%(2008年11月)ですし、失業率4~5%というのは他国では好景気の状態なのです。日本はまだ比較的傷が浅いのではなういでしょうか。

未知への挑戦にためらってはいけない

マスコミの報道に乗せられて、不況ということを言い訳にしている部分はありませんか。不景気だからと萎縮し嘆いてばかりいても何も始まりません。もっと前向きに考え、こういうときだからこそ、新たなチャレンジをしてもらいたいと思います。

実際に私の知り合いにも、「求人を出しても人が集まらない」と人材に困っている企業がたくさんあります。仕事を探している方たちにもさまざまな事情があるのはわかりますが、例えば、元の職種へこだわりがあり、これまでの仕事と違う未経験だからという理由で求人を断ってしまうのはもったいないと思います。

少し厳しいかもしれませんが、公園に集まるほど大変な状況であれば、どんな仕事にも興味を持ち、職を手に入れようとするのではないでしょうか。やったことがないことへのチャレンジは、自分の価値を高めます。今までになかった能力を身に付けられるチャンスなのです。もちろん年齢や病気などやむを得ない場合は仕方ありませんが、不況だからと自分を甘んじないで、如何なる可能性も捨てずに、いいきっかけだと楽しむくらいの気負いで新しいことに挑戦してみてください。

日本的経営の見直しの時期

本来リストラをしなくてすむのならそれに越したことはないのですが、せざるを得ない状況であることは、経営者という立場からも、痛いほど気持ちがよくわかります。売上が下がりつつあるとき、会社の存続のためには早期にコストカットをするには人件費の削減が必須となります。リストラは短期的には間違っていない判断だと私も思います。しかし、長期的には多くのものを失うことを忘れてはいけません。

たとえば日本には年功序列という社会的慣習がありましたが、悪い面ばかりではないと考えていました。この制度には、従業員を大切にする姿勢があらわれているからです。人を大事にすれば愛社精神が生まれ、良い商品やサービスへと繋がり、お客様の満足が得られ、最終的に経営を好転させます。リストラのように数字だけで物事を追っていると、必ず限界がきます。数字を意識することは、従業員よりも株主の優先、つまり経営陣の保身です。ある状況の一点だけで見ればリストラが有効かもしれませんが、長い目で考えると大きな損失であることは間違いないです。

成果主義にせよ、数値にすべての判断をゆだねる最近の風潮に、私は疑問を感じています。けれども、きれい事で済まされない状況があるのも確かです。その際は、解雇される側とよく話し合うことです。次の就職までフォローするなど、理解は得られなくても納得してもらえるよう最善を尽くすべきです。経営陣の報酬カットも一つの手だと思います。私がタリーズを日本ではじめたとき、たくさんのアルバイトの方たちに本当に助けられました。彼らがいなかったら、今の成功はありません。正社員だけでなく、期間従業員でも正社員と同様に扱われ、人が尊重された企業の集合体を日本は目指すべきだと思います。

 

「Challenge ~自分を信じて突き進め~」は、次回に続きます。



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松田公太 Kouta Matsuda

タリーズコーヒー インターナショナル ファウンダー
Face+by Yamano Asia Pacific会長

1968年宮城県生まれ、東京育ち。著書『仕事は5年でやめなさい』ではこれまでの人生や仕事について語り、多くのビジネスマンに刺激を与え続ける。銀行員を辞めて「タリーズコーヒージャパン」を立ち上げたことは有名だが、現在は「タリーズコーヒーインターナショナル」を設立し、アジア各国での進出を手がけている。拠点をシンガポールに移し、日本とアメリカ、アジア各国でビジネスを展開する多忙な日々を過している。

著書 仕事は5年でやめなさい
「仕事は5年でやめなさい」
サンマーク出版刊